仮定法 as if

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今回は「(実際はそうではないのに)~のように振る舞う(見える)」という表現を見ていきます。

ここでは「仮定法過去」「仮定法過去完了」について理解されていることを前提でお話ししますので、まだ不安な方は「英検準2級 仮定法過去」「英検準2級 仮定法過去完了」を先にご覧ください。

ではまず
He talks as if he knew everything about cars.
「彼はまるで車についてなんでも知っているかのように話します」
という英文です。

as if ~で「まるで~のように」という表現ができます。

この文では talk (話す)については「実際に彼は話す」ので、talks と現在形です。
でも know(知っている)については「実際は知らないのに」ということなので、事実と違うことを表現する「仮定法」を使い、knew(過去形)となります。

ここでは「仮定法過去」を使っていますが、as if の文については単純に「現在のことは仮定法過去」「過去のことは仮定法過去完了」と分けられないのが難しいところです。
as if 以下が主節(He talks)と同じ時制なら「仮定法過去」、主節の時制より古いなら「仮定法過去完了」と決まっています。

まず as if の前にある talk の時制を見ます。
ここの時制と同じ時点で know「知っている(実際は知らない)」ということなので仮定法過去(動詞を過去形にする)を使っているのです。
つまり、talks が現在形ですから
「今、知っているみたいに、今、話す」
ということです。

とりあえず、時制の差で「仮定法過去」「仮定法過去完了」が決まるということだけおさえていただいて、次に仮定法過去完了のパターンも見てから、まとめて詳しく解説します。

では次に
You look as if you had seen a ghost.
「君はまるで幽霊でも見たかのように見える」
という英文です。

この文では look は現在形で「今、実際にそのように見える」ということです。
しかし as if 以下の see については「実際は見なかった」ということで仮定法を使っています。

ここでは「仮定法過去完了」の had seen になっています。
as if 以下の時制が主節 You look の時制より古いので「仮定法過去完了」を使います。
つまり「今の君の顔つきは、過去に幽霊を見たかのようだ」という意味です。

as if は as though に置き換えても構いません。
You look as though you had seen a ghost.
でも
「君はまるで幽霊でも見たかのように見える」
で同じ意味です。

では as if を使ったときに「仮定法過去」になる場合と「仮定法過去完了」になる場合について、まとめておきましょう。

as if に続く動詞が過去形になっていれば「仮定法過去」です。
仮定法過去」になっていれば、as if の前にある主節の動詞と「時制が同じ」です。

You look as if you saw a ghost.
「君はまるで(今)幽霊でも見ているかのように(今)見える

この場合は
look は現在形
saw は仮定法過去
です。
つまり saw は look と同じく現在のことです。

「あなたには私が幽霊に見えているの?」
「私の後ろに何か見えてるわけ?」
といったニュアンスですね。

You looked as if you saw a ghost.
「君はまるで(その時)幽霊でも見ているかのように(その時)見えた

この場合は
looked は過去形
saw は仮定法過去
です。
つまり saw は looked と同じ時点の過去のことです。looked が昨日の正午なら saw も昨日の正午、looked が先週の金曜の朝なら saw もそれと同じ時間の出来事というわけです。

「昨日のお昼に会ったとき、あなたは私のことを幽霊と勘違いしているように見えたわよ」
「先週の金曜はあなた変だったわよ。幻覚が見えているような顔をしていたもの」
といったニュアンスです。

as if に続く動詞が過去完了形になっていれば「仮定法過去完了」です。
「仮定法過去完了」になっていれば、as if の前にある主節の動詞より「時制が古い」のです。

You look as if you had seen a ghost.
「君はまるで(過去に)幽霊でも見たかのように(今)見える

この場合は
look は現在形
had seen は仮定法過去完了
です。
つまり had seen は現在のこと表す look より古い時制ということで、過去のことです。

「ゆうべ何かあったの?」
「ここに来る前に何か怖いものでも見た?」
といった感じですね。

You looked as if you had seen a ghost.
「君はまるで(それ以前に)幽霊でも見たかのように(その時)見えた

この場合は
looked は過去形
had seen は仮定法過去完了
です。
つまり had seen は looked よりもさらに古い過去のことです。looked が昨日の正午なら had seen は昨日の午前またはそれ以前、looked が先週金曜日の朝8:00なら had seen は先週金曜日の朝7:59かそれより前といった具合です。

「昨日のお昼に会ったとき、あなた様子がおかしかったわよ。あの直前に何かあったんでしょう」
「先週の金曜、怖いものを見てきたかのような顔してましたよね。前の晩に相当嫌な夢でも見たんですか」
という感じです。

ここまで「仮定法」の as if を見てきましたが、実は as if は普通に「直説法」でも使えます。

You talk as if you hate him.
「あなたはまるで彼のことを嫌っているような話し方ですね」
という英文なら as if 以下は普通に現在形です。
この場合、話し手である私が「あなたは実際に彼を嫌っているのですよね」と思っているのです。

「仮定法」は「事実とは違うこと」についての表現ですが、この場合は話し手が「事実である」という思いで表現しているので仮定法を使う必要がないのです。

仮定法を使えば
You talk as if you hated him.
となりますが、こちらの場合は話し手である私が「あなたは本当は彼を嫌ってないのに」と思っているのです。

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