今回は「関係代名詞」という文法を見ていきます。
難しそうな名前ですよね。実際、苦手な人が多いですが、1つ1つゆっくり理解していけば大丈夫です。まずは最もシンプルな who という関係代名詞を学習しましょう。
① Eriko has a cousin.「エリコにはいとこがいます」
② The cousin lives in Mexico.「そのいとこはメキシコに住んでいます」
という2つの英文があります。
この2つの英文を1つにまとめるのが「関係代名詞 who」です。
ではその方法を見てみましょう。
まず2つの文から共通の人物を見つけ出します。
この場合、①からは a cousin、②からは The cousin が見つかりますね。
次に①の英文はそのまま残しつつ、②の英文を①の英文にくっつけてしまいたいので、②の英文の The cousin を関係代名詞に変換します。
人の場合は who を使います。
そうすると②の英文は
who lives in Mexico
に変わりました。
これを①の英文のどこにくっつけるのかというと、先ほど見つけた共通の人物の直後です。つまり、a cousin の後ろですね。
そうしてできたのが
Eriko has a cousin who lives in Mexico.
「エリコにはメキシコに住むいとこがいます」
という英文です。
どうでしょう?
けっこう簡単ですよね。
関係代名詞の単元では「先行詞を抜き出しなさい」「形容詞節に下線を引きなさい」といった文法用語を使った問題がテストに出たりしますので、ここで解説しておきます。
Eriko has a cousin who lives in Mexico.
「エリコにはメキシコに住むいとこがいます」
という英文の関係代名詞はどれでしょうか。
もちろん who ですね。
その関係代名詞 who の直前にある語が「先行詞」というものです。
「関係代名詞に先行している(関係代名詞より前にある)」という意味です。
この英文では a cousin が先行詞です。
先行詞 a cousin は関係代名詞の導く節「who lives in Mexico(メキシコに住む)」によって修飾されています。
「修飾する」とか「修飾語」という言葉は国語で習っているはずですが、日常ではほとんど使う機会がないのでおさらいしておきましょう。
「かわいい犬」
この場合の「修飾する語(修飾語)」は「かわいい」、「修飾される語(被修飾語)」は「犬」です。
「かわいい」という語で「犬」を飾(かざ)っているのです。
「あちらで遊んでいる犬」
「修飾する語(修飾語)」は「あちらで遊んでいる」
「修飾される語(被修飾語)」は「犬」
「わたしが小さいころ飼っていた犬」
「修飾する語(修飾語)」は「わたしが小さいころ飼っていた」
「修飾される語(被修飾語)」は「犬」
このように長い語句で1つの単語を修飾する場合もあります。
「関係代名詞」はまさにそのパターンです。
「a cousin who lives in Mexico(メキシコに住むいとこ)」について修飾語と被修飾語を分けてみると
who lives in Mexico(メキシコに住む)が修飾する側で「修飾語」
a cousin(いとこ)が修飾される側で「被修飾語」
となります。
単語を飾り付ける言葉は「形容詞」と呼びましたね。
a cute dog「かわいい犬」なら cute が形容詞です。
「who lives in Mexico(メキシコに住む)」についても a cousin を飾り付ける役割なので「形容詞節」といいます。
「節」というのは「主語 + 動詞」が揃っているものですが、who lives in Mexico にはわかりやすい「主語」というものが見当たりません。
しかし考えみると、もともと
Eriko has a cousin.「エリコにはいとこがいます」
にくっつけるために
The cousin lives in Mexico.「そのいとこはメキシコに住んでいます」
という文の The cousin を who に変えたのでした。
つまり who は主語の代わりです。
というわけで、who lives in Mexico も「主語 + 動詞」が揃っている「節」なので「形容詞節」といいます。
次に
① The man is cool.「その男性はかっこいい」
② He is sitting over there.「彼はあちらに座っている」
の2文を関係代名詞を使って合体させましょう。
まず2つの文から共通の人物を見つけ出します。
この2文の場合、①からは The man、②からは He が見つかりますね。
次に①の英文をそのままにして、②の英文を①の英文につなげたいので、②の英文の He を関係代名詞 who に変換します。
そうすると②の英文は
who is sitting over there
に変わります。
これを①の英文のどこにくっつけるのかというと、先ほど見つけた共通の人物の直後です。つまり、The man の後ろです。
ということは「The man is cool.」という英文の中に「who is sitting over there」が割り込む形になります。
The man who is sitting over there is cool.
「あちらに座っている男性はかっこいい」
最初に見た例文より、少しわかりにくいかもしれません。でも英文の作り方を忠実に守っていけばよいだけです。
「先行詞」の直後に「関係代名詞の導く形容詞節」がくっつくのです。
先行詞自体は主語だったり、目的語だったり、補語だったりするので、文のどの位置にあるかは決まっていません。
今回は主語の The man が先行詞となったので、主語を修飾する who is sitting over there がくっついて長ーい主部が出来上がりました。
The man who is sitting over there までが主語の部分である主部で、次の is でようやく動詞(述語)が登場するのです。
The man who is sitting … の is sitting はこの文の述語動詞ではありません。
who is sitting over there は形容詞節ですので cute などと同じ飾りなのです。
文の要素であるS(主語)、V(動詞)、O(目的語)、C(補語)には含まれないということです。
① Jim is an American.「ジムはアメリカ人です」
② He came to Japan last year.「彼は昨年、日本へ来ました」
の2文を関係代名詞を使ってまとめてみましょう。
まず2つの文から共通の人物を見つけ出すのですが、②からは He をすぐに見つけられますが、①の Jim と an American は同じ人ですよね。このような場合は一体どちらを先行詞とすればよいのでしょうか?
実は「人の名前」や「he、she、they といった代名詞」は先行詞にならないのです。不特定の人を関係代名詞を使って説明するのが目的なので、「my father や this woman などの限定された人物」もほぼ先行詞にはなりません。
基本的に、先行詞には a や the がついているということを手がかりにしてください。(もちろん、何もついていなかったり(無冠詞)、many や two などの数を表す形容詞がついている場合もありますので、あくまでも目印の1つとしてです)
ということで、①の英文で先行詞となるのは an American、②の英文で関係代名詞に変わるのは He です。
戸惑うのはここだけのはずですので、あとは今まで見た英文と同様です。
①の英文はそのままで、②の英文を①の英文につなげるために He を関係代名詞 who に変換します。
これで②の英文は
who came to Japan last year
という関係代名詞 who が導く形容詞節に変わります。
これを①の英文の先行詞となる語の直後にくっつけましょう。Jim という人名は先行詞にできませんでしたから an American の直後に who came to Japan last year を置くことになりますよね。
これで
Jim is an American who came to Japan last year.
「ジムは昨年日本へ来たアメリカ人です」
という1つの文にまとまりました。
最後に
The people that live in this village are kind.
「この村に住む人々は親切だ」
という英文を見ておきます。
この英文には who という関係代名詞はありませんね。
実は who は that に置き換えることもできます。
つまり
The people who live in this village are kind.
と
The people that live in this village are kind.
は同じ意味です。
先行詞が The people、関係代名詞は that、関係代名詞の導く形容詞節は that live in this village です。
The man who is sitting over there is cool.
「あちらに座っている男性はかっこいい」
と同様に
The people that live in this village are kind.
「この村に住む人々は親切だ」
と The people と are kind の間に who live in this village が割り込んだ形です。
関係代名詞 that は who だけでなく、物を指す関係代名詞 which の代わりにも使えて万能です。だから何もかも that にしておけばラクなのですが、検定や学校の試験ではそんなラクな方法は選ばせてくれません。問題文に「ただし、that 以外の関係代名詞を使うこと」のように書かれていたりします。
ですので who もきっちり使いこなせるようになっておいてください。