今回は関係代名詞の what を使った「彼が~したこと」「私たちが~するもの」のような表現を見ていきます。what は「先行詞が含まれる関係代名詞」という特殊な存在です。
That is not what he said.
「それは彼が言ったことではありません」
という英文から見ていきましょう。
ここでの what は「~すること」「~するもの」というように thing(もの・こと)の意味を含んでいます。「what + 主語 + 動詞」で「(主語)が(動詞)すること(もの)」という意味になります。
「what he said」で「彼が言ったこと」という意味です。
文法的には what も関係代名詞として扱われますが、これまで見てきた who・which・that のような関係代名詞とはかなり違っています。
すでに the thing(things)という先行詞が what の中に入っているので、what の直前には先行詞はありません。
That is not what he said.
という文の関係代名詞 what の直前は not という否定語で、これが先行詞であるはずはないですよね。
ですので「関係代名詞」というくくりでの理解よりも「what は『~するもの』『~すること』と訳す」という理解の仕方でいいと思います。
ただ、英検3級レベルではこの考え方で十分なのですが、高校生で習う関係代名詞の単元では「( )に入る関係代名詞を答えなさい」のような問題で what を書く必要があったりしますので「what も関係代名詞」ということは覚えておいてください。
That is not what he said.
は
That is not the thing which he said.
と書き換えることもできます。
先行詞が「the thing(こと)」、関係代名詞は「which」ですので「それは彼が言ったことではありません」と訳すことができますよね。
高校生の関係代名詞の単元では書き換え問題としてよく出題されます。
関係代名詞「what」は「the thing(things) + which」に書き換え可能と、瞬時に思い出せるようになっておきましょう。
次は
What you need is a good sleep.
「あなたに必要なのはよく眠ることです」
という英文です。
「what + 主語 + 動詞」の「(主語)が(動詞)すること(もの)」という節が、文全体の主語になっている場合もあります。
「what you need」は「あなたに必要なこと」という名詞節(名詞のはたらきをする節)になります。名詞なら主語になることもできますよね。
文の先頭が What になるので反射的に「何が」と訳してしまわないように気をつけてください。what には「こと」「もの」という使い方もあるというのは、今後たくさんの英文を見ていく中で当たり前になってきますが、習いたての頃には注意して訳していく必要があると思います。